「どの映画館の会員になるのが得か」は、各社の料金表を並べても答えが出ません。自分が年に何本観るかで、有利な型が入れ替わるからです。この記事では制度そのものを型に分けて、自分がどれに当てはまるかを先に決められるようにします。金額は改定されるので、ここでは構造だけを扱います。
型その1:回数を貯めて1本無料にする
決まった回数を観たら次の1本が無料になる、という仕組みです。仮に6回で1本無料なら、1本あたりに直しておよそ7分の1が引かれている計算になります。割引率としてはいちばん大きくなりがちです。
ただし多くの場合有効期限があります。期限内に回数を貯めきれなければ、それまでの分は消えます。つまりこの型は、自分が何本観るかを読める人のための制度です。
年に数本という人が入ると、貯まりきらないまま期限が来ることが多く、効果がほとんど出ません。
型その2:毎回の料金が下がる
会員なら毎回いくらか引かれる、あるいは特定の曜日に会員料金になる、という仕組みです。
この型の強みは1本目から効くことです。年に何本観るか分からなくても損をしません。回数を読めない人、映画を観る頻度が年によって変わる人には、こちらが向きます。
一方で、1本あたりの下げ幅は回数型の実質割引に届かないことが多い。たくさん観る人にとっては物足りない、という関係になります。
型その3:ポイントを貯めて使う
支払額に応じてポイントが付き、鑑賞料や売店の支払いに充てられる仕組みです。単体で見ると還元率は控えめに見えます。
この型を評価するときは、映画以外でも貯まるかを見てください。系列のショッピングモールや電子マネーと共通になっている制度なら、日常の買い物で貯めたぶんを映画に使えます。生活圏が重なっている人にとっては、実質の還元率が大きく変わります。
逆に、その系列と生活の接点がまったくないなら、この型は弱いままです。
分かれ目は「本数」と「劇場を固定できるか」
型を選ぶときに効く条件は、実質この二つです。
回数型は、同じ系列で貯める必要があります。近所に一つの系列しかない、通勤経路にある劇場がいつも同じ、という人には向きます。
複数の系列を使い分ける人は、どこにも回数が貯まりません。作品によって上映される劇場が違う以上、これは意外と起きます。この場合は毎回下がる型か、ポイント型のほうが取りこぼしがありません。
年会費があるなら、先に損益分岐を出す
年会費がかかる制度は、割引の合計が年会費を超えて初めて得になります。1本あたりの割引額が分かれば、「年に何本以上観れば元が取れるか」は割り算で出ます。
この数字が、自分の実際の鑑賞本数より多いなら、その制度は向いていません。感覚ではなく、一度だけ計算しておくと迷わなくなります。
特別上映で効くかは別に確認する
IMAXやMX4Dなどの追加料金は、割引の対象外になるのが一般的です。会員割引が効くのは通常料金の部分だけ、という構造になっています。
特別上映で観ることが多い人は、会員制度の効きが想定より小さくなります。この点は制度を選ぶ前に確認しておいてください。
自分がどれかを決める
次のどれに当てはまるかで、選ぶ型が決まります。
- 同じ劇場に月に何本も通う → 回数を貯める型
- 年に数本、劇場もばらばら → 毎回下がる型
- 系列のモールや電子マネーを日常的に使う → ポイント型
- 特別上映で観ることが多い → どの型も効きが小さくなるので、期待値を下げておく
