「ScreenXで観たけれど、思ったより左右に映像が出なかった」「端の席で首が疲れた」という感想は、この方式の作りを知っていれば避けられます。ScreenXはほかの上映方式と違い、席の位置が体験そのものを大きく左右します。この記事では、仕組みと座席の選び方を整理します。
壁をスクリーンとして使う
ScreenXは、映画館の正面スクリーンだけでなく左右の壁面にも映像を投影するマルチプロジェクション方式です。ユナイテッド・シネマの案内では、270度の視野を満たすと説明されています。
人の視野はおよそ180度から200度とされます。正面を向いていても、視界の端に映像が入ってくることになるため、画面を見ているというよりその場所の中にいる感覚に近づきます。これがScreenXの狙いです。
開発したのは韓国のCJ 4DPLEXです。体感型の4DXと同じ会社が手がけている方式で、劇場によっては4DXと組み合わせた上映も行われています。
左右は全編ずっと出るわけではない
ここがもっとも誤解されやすい点です。左右の壁の映像は、作品のシーンに合わせて出たり消えたりします。ユナイテッド・シネマの案内でも、正面が通しで映るのに対し、側面はシーンごとに映像が流れると説明されています。
広い風景、カーチェイス、ライブの客席といった広がりが効く場面で左右が開き、会話などの落ち着いた場面では正面だけになります。常に3面が埋まっている状態を期待していると、肩透かしに感じることがあります。
そのため作品との相性がはっきり出る方式でもあります。舞台がひとつの部屋に限られる作品より、移動や群衆が多い作品のほうが向いています。
座席は中央の列を選ぶ
左右の壁を使う以上、座る位置で見え方が変わります。左端の席に座ると左の壁が近すぎて像がゆがみ、右の壁は遠くなって見えにくくなります。右端はその逆です。
中央の列であれば、左右の壁がほぼ対称に視界へ入ります。ScreenXでは中央かどうかが、前後の位置より効きます。
前後については、前すぎると左右の壁が視界の外へ出てしまいます。壁の映像を視界の端で拾える距離、つまり中央付近から少し後ろが扱いやすい位置になります。
- 左右は中央の列を最優先で選ぶ
- 前寄りは避ける。左右の壁が視界から外れる
- 字幕版なら中央寄りがさらに重要。左右を見ていると字幕を追いにくい
- 壁の映像は正面ほど明るくないので、明るさの差は仕様と考える
字幕版との組み合わせは相性を考える
字幕は正面のスクリーンに出ます。左右に気を取られていると字幕を読み落としやすく、字幕を追っていると左右を見逃します。
作品を初めて観るなら吹替版のほうが左右に集中しやすい、という選び方もあります。特別上映では字幕と吹替の両方が組まれないこともあるため、予約前に確認してください。
