「PG12なら子どもと一緒に観られるけれど、R15+はだめ」。この線引きがどこから来ているのかを知っている人は多くありません。決めているのは国ではなく、映画業界が自分たちで作った審査団体です。この記事では四つの区分の意味と、同伴の効き方、そして誰がどう決めているのかを整理します。
決めているのは国ではなく映倫
映画の年齢区分を審査しているのは映倫、正式には映画倫理機構という団体です。2017年に、それまでの映画倫理委員会から現在の名称と体制になりました。映画業界が自分たちで作った、民間の審査組織です。
つまりこの区分は法律ではなく自主規制です。国が「この映画は15歳未満は禁止」と決めているわけではありません。映倫が作品ごとに審査して区分を付け、劇場がそれに従って入場を運用しています。
この前提を知っておくと、区分の性格が分かりやすくなります。「違法かどうか」ではなく、「この年齢の人が観るのに配慮が要るか」という業界内の判断だということです。
四つの区分と、同伴が効くかどうか
区分は四つあります。並べると次のようになります。
- G:年齢制限なし。誰でも観られる
- PG12:12歳未満の鑑賞には保護者の助言・指導が必要。入場そのものは可能
- R15+:15歳以上でないと観られない
- R18+:18歳以上でないと観られない
分かれ目は「助言」か「制限」か
PGは Parental Guidance の略で、保護者が判断してくださいという意味です。作品の内容を保護者が把握したうえで、一緒に観るかどうかを決める。入場を止めるものではありません。
対してRは Restricted、つまり入場そのものの制限です。保護者が一緒でも、本人が年齢に達していなければ入れません。同じ「年齢が書いてある区分」に見えて、性質がまったく違います。
子ども連れで映画館に行くとき実際に効いてくるのは、この違いです。PG12なら親の判断で入れる。R15+以上は、判断の余地がありません。
年齢確認はどう行われるか
R15+やR18+の回では、劇場で年齢を確認されることがあります。学生証や運転免許証などの提示を求められる場合があるため、該当する作品を観に行くときは身分証を持っておくと確実です。
確認するかどうかは劇場の運用によります。見た目で判断できる範囲を超えるときに声をかける、という形が一般的です。持っていないと入れないことがあるので、若く見られやすい人は用意しておいたほうが安全です。
配信サービスの年齢表示とは別物
映倫の区分は劇場公開作品に付くものです。配信サービスに出ている年齢の目安は、各社が独自の基準で表示しているもので、映倫の審査結果とは別に決まっています。
そのため、同じ作品でも劇場ではR15+、配信では別の表記になることがあります。配信画面の表記を見て劇場の区分を判断することはできません。
海外の区分とも別に審査される
米国にはMPAによるG・PG・PG-13・R・NC-17という区分があります。海外のレビューで「PG-13」と書かれていても、日本での区分はあらためて映倫が審査します。基準も社会的な背景も違うため、対応する区分がずれることは珍しくありません。
海外での評判を先に読んで観に行く場合は、日本での区分を別に確認してください。
迷ったときの見方
実際に判断するときは、次の順で見れば足ります。
- 小さな子どもと観たい → 候補はGとPG12。PG12は内容を確認したうえで保護者が判断する
- 中学生と観たい → R15+は入れない。PG12までが対象
- 同伴では突破できないのはR15+とR18+
- 配信の年齢表示は、劇場の区分とは別に決まっている
